2024.06.19更新

当院ではバリウム撮影による胃の検査を行っています。
当院ではバリウム撮影による胃の検査をおこなっています。
朝、絶飲食後、(前日の夜9時より飲食は中止)
予約なし。30分で検査終了。
胃潰瘍、胃癌そのほかの疾患も見つけます。
何もなく健康ならばしあわせです。

 

投稿者: 大橋医院

2024.06.19更新

<或る老いた70歳の老人の悩み> 大橋信昭
70歳になっても、何とか、現代医学に遅れないようにと、仕事を終えてから、オンラインの講義、毎月の医師会雑誌、内科学会の雑誌に挑戦している。私が、卒業したのは1979年、偶然にも専門医制度が始まった年だ。この頃は,何となく時間が緩やかに流れており、一日仕事を終えて、気になるところを、医学大辞典、循環器学を読めば、趣味の歴史、宇宙、文学を読みふけっても、疲れることなく就寝時間が来た。もちろんパソコンが個人レベルで一台以上もてる時代ではない。コンピューターは大学の計算機センターという部屋に数台あり、同大学の研究者たちは順番を待った。できた論文はタイプライターで仕上げ、データは計算尺で確認した。
それが今の時代、一人一台から数台、パーソナルコンピューターを持ち、タブレット、手でスマートホンをもって電話、メール、ライン、、、様々なアプリ,薄く軽く、持ち運びができるようになった。24歳のころから考えると夢のような時代である。
毎日、入ってくる情報も桁違いとなった。若き24歳の私は、授業を抜け出し、そのころは学生食堂の北奥に、森があり、池があり、まぶしい太陽を見ながらアイスクリームを味わっていた。
あれから50年、図書館でINDEX MEDICINEをめくり、論文を探す必要はなく、私の持っているパソコン、スマートホン、タブレットで疑問点は無くなる。便利だが、情報が多すぎて、私の24歳から歳月を経た70歳の前頭葉は、柔軟性を無くした。もう私は開業して、教授、准教授、研究員たちも若い世代、ジェネレーションキャップを感じるのである。学界場に行くと、特に若者に老人が首をひねってノートをとっており、そんな医師はいないのである。引退?という言葉が心をかすめるが、いや勉強は70歳からでも追いつける。若い世代の医学討論、地方会でもスライドに出てくる医学用語がわからなく、さっとスマートホンで検索する。私はガイドラインも頻回に変更する。心臓のみ、勉強しては他の臓器のことが全く分からなくなるので、呼吸器、腎臓、貧血、内分泌にも挑戦する。
私の情けない大脳では処理しきれない。いや、まだ現役で頑張るのだ。外来で流感患者ばかり診察していては、思わぬ難病を見逃す。中核病院の専門医に紹介状を書く頻度が増えた。患者さんのことを思えば悪いことではない。幸い、オンラインの講義が多くなり、全世界の講義を書斎で聴講できるが、読んでない新刊医学雑誌はたまるばかり。人生はこれから、医学の発達のスピードに負けないのだ。

投稿者: 大橋医院

2024.06.19更新

私は、ある学会で1983年、ユーゴスラビアでインピーダンスと動脈硬化に関する発表をした。9月に夏服でもう冬に近いアムステルダムに到着し、ユーゴスラビアのザダールという避暑地で学会があり、下手な英語で汗をかきながら、研究内容をプレゼンテーションし、ほっとした。偶然のことだが、下手な英語の発表に震えるポーランドの同世代の医師と友だちになった。ついでだから、ザダール周囲を観光した。1944年、ヒットラー率いるナチスが押し寄せてきたとき、英雄チトーが、7つの国、6つの宗教からなる、普段は憎しみ逢っている人々を説得し、ユーゴスラビアという一つの国に団結し、ナチスを蹴散らし独立を守ったのである。博物館を訪れ、バルカン地方の歴史を学習したのである。この土地は世界の火薬庫といわれ、オーストリアの皇太子がある青年に暗殺され、第一次世界大戦のきっかけになったところである。紀元前からペルシア戦争、古代ローマ帝国の領土、オスマン帝国、1945年に終結した第2次世界大戦まで、英雄率いる多くの民族により略奪され続けたのである。ゆえに女性は混血が多く美人が多い。美女を見るたびに「フワラ―」(こんにちは)と挨拶をしたが、愛想笑いをするだけで、ロマンに発展することはなかった。私は、運が良かった。翌年、帰国したが、学会中、ユーゴスラビアの至る所にチトーの肖像、銅像があり、私もチトーに敬礼をすることを強制された。しかし、チトーはすでに亡くなっているにも関わらずその影響が残っていたが、元来、憎しみ逢っていた7つの国が内戦を始めたのである。憎しみが増悪し、多くの人が血を流し、特に子供、女性、老人も見境がなく抹殺された。国際連合の折衷により停戦を迎えたようである。
私がいたときは、青い空に透明なアラビア海、壮大なアルプス山脈、豊かな田園、荘厳な今も残る中世の都市、のんびりした人々の日常、
あの“のどかさ”が一瞬に焼失したのである。戦争はむごいものだ。紀元前から今日、いや、今でも戦争は続行している。
 人間というものは他の草食動物に比べて、実に弱いものである。紀元前の文明が発症する狩猟時代は、集団化して洞窟に隠れ、石、青銅、鉄と武器を進化し、やがて農耕が発達し、人口が爆増し、人が地球を占領し、草食動物を追いやり、やがて文明が生まれ、都市化から国へと発展し、民族に分かれ、全世界に移動し、地球は完全に人間が私物化した。やがて無限の国ができ、なぜか宗教がいくつもでき、人間の心を奪った。それぞれ特色があり、国により宗教は違い、皮膚の色も異なり、言語、慣習も異なり、人口は爆増し、争いの種は無限となった。元来、国境というものは無かったが、国の弱肉強食が始まり、領土の奪い合いも加わり、戦争は絶えることは無くなった。特にヨーロッパで起きた産業革命は、農耕、狩猟に生活を依存していたアジア、アフリカ、中近東は、英、仏、独、蘭などの国に植民地として属国化した。特にアフリカの黒人は奴隷として商品化され、人身売買され、各地に非人間として強制移住され、人権を奪われ、欧米人の都合の良いように単純労働に酷使され、国籍もなく、選挙権もなく、医療も受けることも難関であった。肌の色が白人と違うというだけで、このひどい差別に反乱にが起こり、黄色人種を含め、全世界でテロが起こり、戦争状態になり、多くの血が流れた。人口は爆発し、狭いところに異民族、多宗教が小競り合いから内紛、宗教戦争はひどくフランスとドイツは百年も戦争を続行した。イスラム教、ヒンズー教は、神は一つであり、行動制限にも厳しすぎる。食事も制限があり、イスラム教の女性は黒い衣装を身にまとわされ、外出禁止、肌は一切露出禁止、目の周りだけ黒い布の隙間があり、絶えず自宅謹慎、学校へ行くことさえ、何かを学ぶことさえ禁止されている。異なる宗教を持つ国が側近し、特にヨーロッパには多くの宗教と、強国が密集し、植民地を奪い合い、文明も武器も進化し、すぐに戦争に利用された。益々、毎日、多くの人の血が流れた。ここに、強力な権力を持つ独裁者が何人も現れ、
自国民の自由を奪い、軍事力を無限に強化し、世界を我が物にしようと、軍隊を作り、強制的に兵隊とされ、異民族を殺戮に出兵を強行した。戦争が自国に有利な間は多くの対戦国の捕虜を虐殺し、不利になり、敗戦が明らかになると、独裁者は自殺するか、負けた国の裁判にかけられ処刑される。こんなことを何千年と繰り返しているのである。地球から戦争を無くすことは不可能だと結論するのは悲しい。IT,AIとデジタルが猛烈なスピードで進歩しているが平和利用できぬものか?いや、無人の戦闘機やドローンが変えて戦争を激烈にしている。私は地球儀をくるくる回しながらおもう。どこの政治家の大統領候補も自国優先主義で他の国はどうでもよいと大声で演説しだした。戦争のない地球は今のところ可能性はゼロである。私は東の隅に小さな島国で生まれた日本で、ミサイルも飛んでこないし、高齢になり、今更、赤紙が来て戦地へ行けということもなく、夕暮れになり、今日の健康を喜ぶばかりである。(完)

 

投稿者: 大橋医院

2024.06.17更新

膀胱炎
原因
膀胱の中に細菌が入り、膀胱の粘膜に炎症が起こることによって膀胱炎を発症します。
ただし、膀胱の中に細菌が入ったからといって、すぐに膀胱炎になるわけではありません。睡眠不足やストレスなどで体の抵抗力が落ちているとき、尿を我慢したときなどに膀胱の中で細菌が増えると炎症が起きて膀胱炎の症状が現れます。女性の場合には、月経前後や性行為後などに膀胱内に細菌が侵入しやすいといわれています。
膀胱炎の原因菌でもっとも多いのは大腸菌です。最近では、抗菌薬に対抗できる耐性菌による膀胱炎も増えています。
症状
膀胱炎で多く見られる症状は頻尿、残尿感、排尿痛です。具体的には、何度もトイレに行きたくなる(頻尿)、排尿してもすっきりした感じがしない(残尿感)、排尿した後に下腹部や陰部が痛い(排尿痛)という症状が突然起きることが多いです。
ほかにも、尿が混濁することや血液が混ざった赤い尿(血尿)を認める場合があります。膀胱炎では通常発熱を伴うことはありません。発熱を伴う場合には、膀胱より上に位置する腎臓まで細菌が侵入し、炎症を起こしている可能性があります。
検査・診断
膀胱炎は、基本的に膀胱炎に伴う症状と尿検査で診断します。
尿検査では、細菌による炎症があることを意味する白血球や細菌の有無を確認します。さらに、尿中の細菌を培養し原因となっている細菌を特定して、どの抗菌薬が効くかどうかも調べます。膀胱炎を繰り返すときは細菌が抗菌薬に効かない耐性菌になっている可能性があります。
治療
膀胱炎の治療は抗菌薬の内服を行います。ただし、最近では抗菌薬に抵抗する力のある菌(耐性菌)が増えてきているので、治療効果の期待できる抗菌薬を的確に選ぶ必要があります。
医療機関で処方された抗菌薬を数回内服すると症状が改善することが多いため、途中で内服をやめてしまう人がいます。途中で内服をやめると症状が再び起きることや耐性菌をつくることがあるので、指示された期間は必ず内服するようにしましょう。
薬以外の治療法としては、十分な量の水分を取ることが大切です。水分を取ることによって、尿と共に膀胱内で増殖した菌を外へ出すことができます。
予防
膀胱炎は繰り返しやすいですが、日常生活を見直すことで予防できる病気です。もし日常生活を見直しても膀胱炎を繰り返す場合には、ほかの病気が隠れている可能性もあるので詳しく検査してもらうようにしましょう。

 

投稿者: 大橋医院

2024.06.17更新

<橋本病>
慢性甲状腺炎
概要
慢性甲状腺炎とは、甲状腺に慢性的な炎症が引き起こされることによって徐々に甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が低下していく病気のことです。
免疫機能の異常によって引き起こされると考えられており、自身の甲状腺を攻撃する“自己抗体”と呼ばれるタンパク質が生成されることで発症します。しかし、どのようなメカニズムでこのような免疫の異常が生じるのか、はっきりとは解明されていないのが現状です。
甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝を活発にするはたらきがあるため、慢性甲状腺炎を発症して、甲状腺ホルモンの分泌が低下し不足すると、体重増加やむくみ、脱毛、皮膚の乾燥、抑うつ気分、眠気などさまざまな身体的・精神的症状を引き起こします。
また、この病気は比較的発症頻度が高い病気であり、特に30~40歳代女性に多く発症します。成人女性の10人に1人の割合とされており、治療は不足した甲状腺ホルモンを補う薬物療法が行われますが、発症者全てに必要となるわけではありません。補充が必要なほど甲状腺ホルモンが不足するのは発症者の4~5人に1人であるのも特徴の1つであり、発症に気付かないまま過ごしているケースも多いとされています。
原因
慢性甲状腺炎の原因は、免疫機能の異常と考えられています。本来、免疫は体内に入り込んだ細菌やウイルスを攻撃するはたらきを担いますが、慢性甲状腺炎では免疫の異常によって甲状腺の組織を攻撃するようになります。その結果、甲状腺に慢性的な炎症が生じ、徐々に組織が破壊されていくことで甲状腺ホルモンの分泌量が低下していくのです。
一方で、自身の甲状腺を攻撃するような免疫機能の異常が生じる明確な発症メカニズムについては解明されていません。遺伝が関わっているという説もあり、また、ストレス、妊娠・出産、ヨードの過剰摂取などをきっかけとして発症する場合もあります。
症状
慢性甲状腺炎を発症すると、甲状腺に慢性的な炎症が生じることによって甲状腺が腫大し、前頚部(ぜんけいぶ)の腫れが生じるようになります。そのため、首や喉の圧迫感や違和感がみられる場合もあります。
また、甲状腺ホルモンの不足が進行すると全身の新陳代謝が低下することによって、むくみ、寒がり、体重増加、皮膚の乾燥、脱毛、便秘、声のかすれ、生理不順などの身体症状、抑うつ気分、無気力、倦怠感(けんたいかん)、疲労感、もの忘れといった精神的な症状が現れます。
検査・診断
慢性甲状腺炎が疑われるときは、次のような検査が行われます。
血液検査
診断のためには“甲状腺ホルモン”や甲状腺を刺激してホルモン分泌を促す“甲状腺刺激ホルモン”の量を調べるために血液検査を行う必要があります。
また、慢性甲状腺炎では、抗マイクロゾーム抗体や抗サイログロブリン抗体と呼ばれる甲状腺を攻撃するタンパク質が産生されるケースが多いため、血液検査では血中にこれらの抗体がないか調べるのが一般的です。
そのほか、慢性甲状腺炎は高コレステロール血症や肝機能異常を伴うこともあるため、これらの検査項目を調べることもあります。
画像検査
甲状腺の腫れの程度を調べたり、甲状腺の中にがんなどの病気がないか調べたりするため、超音波やCTなどを用いた画像検査を行うことがあります。
治療
慢性甲状腺炎は、発症したとしても全ての患者に治療が必要になるわけではありません。治療が必要になるのは甲状腺ホルモンの不足による症状が現れた場合のみであり、発症者の4~5人に1人とされています。
治療は不足した甲状腺ホルモンを補うための薬物療法が行われますが、基本的には継続的な治療が必要です。
予防
慢性甲状腺炎の根本的な原因ははっきり解明されていないため、発症を予防する方法も現時点では確立していません。
しかし、慢性甲状腺炎はストレス、妊娠・出産などをきっかけに、甲状腺の腫れや甲状腺ホルモンの異常の症状が強くなって発見されるケースが多いことから、日常生活の中でもできるだけストレスをためないよう注意することが大切です。また、妊娠中や産後に甲状腺ホルモンの異常が疑われる症状が現れたときは、できるだけ早めに病院を受診するようにしましょう。

 

投稿者: 大橋医院

2024.06.17更新

<カルシウムとリン>
リンとカルシウムは大きく関係しています。 血液検査で値を目にする機会が多いと思いますが、 どのように関係しているのかをおさらいしてみましょう。 検査でカルシウムの値が低かったけど 食事で意識して摂った方がいいの? カルシウムの多い食品にはリンも多く含まれています。 そのため、積極的に摂取することで高リン血症のリスクが 高まってしまいます。 カルシウムコントロールは薬剤での調整が適していますので カルシウムを多く含む食品は摂りすぎに注意しましょう。 牛乳 200ml カルシウム 220mg リン 186mg プロセスチーズ 1個 17g カルシウム 107mg リン 124mg ししゃも2尾 40g カルシウム 132mg リン 172mg 高野豆腐(乾) 1個 20g カルシウム 126mg リン 164mg リンとは・・・ さまざまな細胞内に存在するミネラルの一つ。成人の体内には体 重の約1%のリンが存在するとされています。体内に存在するリ ンの85%が骨・歯に含まれ、残りの15%が軟組織や細胞膜、細 胞外液などに含まれています。 カルシウムとは・・・ 人体に含まれるミネラル(無機質)の中で最も多く、その99% は骨や歯に分布し、骨の強度維持に深くかかわっています。

高リン血症になると何が起こるの? 副甲状腺ホルモン(PTH)が上昇する影響により、 骨からカルシウムが溶け出して骨がもろくなったり 血液中のリンとカルシムが結合して、関節・筋肉・心臓・ 肺・皮膚・血管など、通常では沈着しない場所に沈着する 「異所性石灰化」が起こります。 ~異所性石灰化とは~ 骨以外の軟部組織や臓器にカルシウムが沈着し様々な臓器障害を 起こす、透析患者の合併症です。 リンとカルシウムが結合(リン酸カルシウム)して、体の様々な 臓器に沈着します。 心臓自体に起これば心不全や不整脈の原因となります。肺に起こ れば呼吸が障害されて呼吸不全となります。皮膚に起これば皮膚 がかゆくなります。
日常生活でできる工夫としては血中リン値を上げな いように食生活に注意することが大切です。 高リン血症になると何が起こるの? 副甲状腺ホルモン(PTH)が上昇する影響により、 骨からカルシウムが溶け出して骨がもろくなったり 血液中のリンとカルシムが結合して、関節・筋肉・心臓・ 肺・皮膚・血管など、通常では沈着しない場所に沈着する 「異所性石灰化」が起こります。 ~異所性石灰化とは~ 骨以外の軟部組織や臓器にカルシウムが沈着し様々な臓器障害を 起こす、透析患者の合併症です。 リンとカルシウムが結合(リン酸カルシウム)して、体の様々な 臓器に沈着します。 心臓自体に起これば心不全や不整脈の原因となります。肺に起こ れば呼吸が障害されて呼吸不全となります。皮膚に起これば皮膚 がかゆくなります。 心筋梗塞 換気不全 皮膚のかゆみ 【1日のリン摂取目安量】800~1000mg程度 ※個人の透析状況により異なりますので数値は目安です。 【血液検査目標値】 リン 3.5~6.0mg/dL
■摂取たんぱく質の適量を守る ■リンが多い食品や加工食品には注意する ■間食はなるべく控える 有機リン 植物性食品 (豆類) 20~40% 動物性食品 (魚介類・肉類・卵類・乳類) 40~60% 無機リン 食品添加物 90%以上

投稿者: 大橋医院

2024.06.17更新

<世界史を気ままに書き、戦争が消失しないか考える>
             大橋信昭
私は、ある学会で1983年、ユーゴスラビアでインピーダンスと動脈硬化に関する発表をした。9月に夏服でもう冬に近いアムステルダムに到着し、ユーゴスラビアのザダールという避暑地で学会があり、下手な英語で汗をかきながら、研究内容をプレゼンテーションし、ほっとした。偶然のことだが、下手な英語の発表に震えるポーランドの同世代の医師と友だちになった。ついでだから、ザダール周囲を観光した。1944年、ヒットラー率いるナチスが押し寄せてきたとき、英雄チトーが、7つの国、6つの宗教からなる、普段は憎しみ逢っている人々を説得し、ユーゴスラビアという一つの国に団結し、ナチスを蹴散らし独立を守ったのである。博物館を訪れ、バルカン地方の歴史を学習したのである。この土地は世界の火薬庫といわれ、オーストリアの皇太子がある青年に暗殺され、第一次世界大戦のきっかけになったところである。紀元前からペルシア戦争、古代ローマ帝国の領土、オスマン帝国、1945年に終結した第2次世界大戦まで、英雄率いる多くの民族により略奪され続けたのである。ゆえに女性は混血が多く美人が多い。美女を見るたびに「フワラ―」(こんにちは)と挨拶をしたが、愛想笑いをするだけで、ロマンに発展することはなかった。私は、運が良かった。翌年、帰国したが、学会中、ユーゴスラビアの至る所にチトーの肖像、銅像があり、私もチトーに敬礼をすることを強制された。しかし、チトーはすでに亡くなっているにも関わらずその影響が残っていたが、元来、憎しみ逢っていた7つの国が内戦を始めたのである。憎しみが増悪し、多くの人が血を流し、特に子供、女性、老人も見境がなく抹殺された。国際連合の折衷により停戦を迎えたようである。
私がいたときは、青い空に透明なアラビア海、壮大なアルプス山脈、豊かな田園、荘厳な今も残る中世の都市、のんびりした人々の日常、
あの“のどかさ”が一瞬に焼失したのである。戦争はむごいものだ。紀元前から今日、いや、今でも戦争は続行している。
 人間というものは他の草食動物に比べて、実に弱いものである。紀元前の文明が発症する狩猟時代は、集団化して洞窟に隠れ、石、青銅、鉄と武器を進化し、やがて農耕が発達し、人口が爆増し、人が地球を占領し、草食動物を追いやり、やがて文明が生まれ、都市化から国へと発展し、民族に分かれ、全世界に移動し、地球は完全に人間が私物化した。やがて無限の国ができ、なぜか宗教がいくつもでき、人間の心を奪った。それぞれ特色があり、国により宗教は違い、皮膚の色も異なり、言語、慣習も異なり、人口は爆増し、争いの種は無限となった。元来、国境というものは無かったが、国の弱肉強食が始まり、領土の奪い合いも加わり、戦争は絶えることは無くなった。特にヨーロッパで起きた産業革命は、農耕、狩猟に生活を依存していたアジア、アフリカ、中近東は、英、仏、独、蘭などの国に植民地として属国化した。特にアフリカの黒人は奴隷として商品化され、人身売買され、各地に非人間として強制移住され、人権を奪われ、欧米人の都合の良いように単純労働に酷使され、国籍もなく、選挙権もなく、医療も受けることも難関であった。肌の色が白人と違うというだけで、このひどい差別に反乱にが起こり、黄色人種を含め、全世界でテロが起こり、戦争状態になり、多くの血が流れた。人口は爆発し、狭いところに異民族、多宗教が小競り合いから内紛、宗教戦争はひどくフランスとドイツは百年も戦争を続行した。イスラム教、ヒンズー教は、神は一つであり、行動制限にも厳しすぎる。食事も制限があり、イスラム教の女性は黒い衣装を身にまとわされ、外出禁止、肌は一切露出禁止、目の周りだけ黒い布の隙間があり、絶えず自宅謹慎、学校へ行くことさえ、何かを学ぶことさえ禁止されている。異なる宗教を持つ国が側近し、特にヨーロッパには多くの宗教と、強国が密集し、植民地を奪い合い、文明も武器も進化し、すぐに戦争に利用された。益々、毎日、多くの人の血が流れた。ここに、強力な権力を持つ独裁者が何人も現れ、
自国民の自由を奪い、軍事力を無限に強化し、世界を我が物にしようと、軍隊を作り、強制的に兵隊とされ、異民族を殺戮に出兵を強行した。戦争が自国に有利な間は多くの対戦国の捕虜を虐殺し、不利になり、敗戦が明らかになると、独裁者は自殺するか、負けた国の裁判にかけられ処刑される。こんなことを何千年と繰り返しているのである。地球から戦争を無くすことは不可能だと結論するのは悲しい。IT,AIとデジタルが猛烈なスピードで進歩しているが平和利用できぬものか?いや、無人の戦闘機やドローンが変えて戦争を激烈にしている。私は地球儀をくるくる回しながらおもう。どこの政治家の大統領候補も自国優先主義で他の国はどうでもよいと大声で演説しだした。戦争のない地球は今のところ可能性はゼロである。私は東の隅に小さな島国で生まれた日本で、ミサイルも飛んでこないし、高齢になり、今更、赤紙が来て戦地へ行けということもなく、夕暮れになり、今日の健康を喜ぶばかりである。(完)

投稿者: 大橋医院

2024.04.15更新

多尿、尿失禁、夜間の多尿、夜尿症の悩みにセルにおるトン6錠

前立腺に働き、排尿トラブルを無くします。

投稿者: 大橋医院

2024.04.14更新

俺の心を知りながら なんで黙って消えたんだ

チャコ チャコ

酒場に咲いた 恋だけど

おいらは あの子が 好きだったんだ

投稿者: 大橋医院

2024.04.13更新

CAR-T細胞療法とは

がんの治療において免疫療法が一躍主要な治療選択肢の一つとなってきたところです。現在実臨床にて主に行われているのは免疫チェックポイント阻害薬であり、こちらはわかりやすく言うとがんに対する免疫系のブレーキを外すことで抗腫瘍免疫を高めることで治療に結びつけるというものです。しかし、この手法だけでは抗腫瘍免疫が十分でない疾患も多いのが現実です。

そのような場合に一つ考えられるのが、抗腫瘍免疫を発揮する免疫担当細胞を体外で増幅して体内に戻すというやり方です。単に体外で増幅するだけでは体内に戻しても効果が十分発揮されない場合がほとんどであるため、免疫担当細胞の機能をさらに高める為の一つの手段としてキメラ抗原受容体 (Chimeric antigen receptor、略してCARと呼ばれる)をT細胞に導入するという手法があります1。

          
キメラ (chimera) とは、同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっていることと言われるように、CARはいくつかの遺伝子を人工的に組み合わせた受容体になります。一般的に言われるCARにおいては細胞外部分はがんに発現する抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体由来のシングル-チェーン変異部断片 (single-chain variable fragment、scFvと呼ばれる)、そして細胞内部分はT細胞の活性化シグナルを伝達するドメインが組み込まれています。

FDAにて承認済 CD19 CAR-T細胞療法

CAR-T細胞療法で最も研究が進んでいるのが、CD19 CAR-T細胞療法です。再発・難治性の急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia、ALL)においては治療選択肢が限られ、その予後は不良と言わざるを得ない状況でした。ALLの中でもB細胞性のALL(B-ALL)においてはCD19という表面抗原がほぼ全例で発現しています。その抗原を標的としたCD19 CAR-T細胞療法の開発が進んでいます。これまでにいくつかの臨床試験にて再発・難治性のB-ALLにおいて驚くべき有効性が報告されています2。まだまだ長期的な成績は臨床研究での評価が行われている段階ではありますが3、これまでの非常に高い有用性からFDAでも早期に承認に至ったようです。

CAR-T細胞療法の問題点

CAR-T細胞療法は非常に高い有効性を示しますが、問題点もあります。

<特徴的な合併症>

まず、cytokine release syndrome(CRSと略される)が挙げられます。CAR-T細胞が一気に活性化しサイトカインを放出すると高熱、低血圧、酸素化低下などを起こします。それに対しては抗IL-6受容体抗体やステロイド投与などが行われます。

その他にはCD19陽性細胞全てが除去されるような形になるので正常の抗体産生が抑制されてしまうということもあります。

<コスト>

もう1点重要な問題点としてはコストの問題が挙げられます。1回の治療が数千万円ということでアメリカ以外の国でどのように承認されるのかが関心を持たれています。

CAR-T細胞療法の今後の展望

現時点で実用化がされているのはCD19 CAR-Tのみですが、その他の疾患・抗原に対するCAR-T細胞療法の開発が進んでおり、例えば多発性骨髄腫などに対するCAR-T細胞療法も有用性が報告されていたりします4。

また、CAR-Tの改良も盛んであり、細胞内ドメインに関しても当初はCD3ζ-チェーンから得たものが用いられていましたが、さらに活性化シグナルを改良する為に第二世代CARではCD28や4-1BBなどが組み込まれています。各々をさらに複数組み合わせたような第三世代の開発も行われています。このような構造を有するCARをT細胞に導入することで、抗原を発現するがんをCARが認識した際に非常に強いT細胞の活性化・増幅が起こり、がんを排除するということになります。

その一方で高コストを改善すべく遺伝子導入の手法の開発なども進んでいます。CAR-T細胞療法は効果の面で非常に期待される治療法ですが、コストの面が改善されなければ数多くの疾患に対するCAR-Tが全て保険適応となることは困難とも予想され、低コスト化が進むことが望まれるところです。

 

投稿者: 大橋医院