2024.09.20更新

早期アルツハイマー病に対するLecanemab(レカネマブ)の治療効果
文責:橋本 款
図1.
コロナ禍の期間に大きな進展があったことの一つに、アルツハイマー病(AD)におけるアミロイドβ(Aβ)免疫療法の臨床治験の成功が挙げられます。Aβ免疫療法の臨床治験はこれまで何度も失敗を繰り返してきました。また、Aβの免疫療法を受けた患者の剖検脳を調べた結果、Aβの凝集・蓄積は、消失していたにもかかわらず、認知機能は改善しないことがわかりました。これらのことから、蛋白凝集と神経変性の関連性については懐疑的にならざるを得ませんでしたが、最近のレカネマブの臨床治験(第3相)の成功は、このような疑念を払拭しました。レカネマブは、家族性アルツハイマー病の一つから同定されたArctic変異(Glu 22がGlyに置換)のAβを抗原とするモノクローナル抗体であり、エーザイ社(日本)とバイオアークティック社(スウェーデン)によって共同開発されました。その機序として、レカネマブはAβのプロトフィブリル*1 に結合して神経毒性をブロックする結果、シナプスの機能を保護し、認知機能の低下を抑制すると考えられました(図1)。したがって、レカネマブの治験の成功により、ADの病態における神経毒性に関与するプロトフィブリルが治療標的なることが証明されたことになります(図1)。今回は、臨床治験(第3相)の成功に関連した論文(文献1)を取り上げます。


文献1.
Christopher H. van Dyck, et al., Lecanemab in Early Alzheimer’s Disease, N Engl J Med 2023; 388:9-21

【背景・目的】
可溶性、及び、不溶性Aβの凝集体が蓄積することで、ADの病理過程が開始または増強されると考えられるが、レカネマブは、可溶性Aβのプロトフィブリルに高い親和性を呈するヒト化IgG1モノクローナル抗体であり,臨床治験(第3相)において、軽度認知障害(MCI)*2 を含む早期AD患者で検討された(Clarity AD 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03887455)。

【方法】
ADによるMCI、または、軽度認知症を有し、陽電子放射断層撮影(PET)または脳脊髄液検査でアミロイドの沈着を認める50~90歳の人を対象として、18ヵ月間の多施設(日本、米国、欧州、中国、韓国、カナダ、豪州、シンガポール)共同二重盲検第3相試験を行った。参加者を、レカネマブ(10 mg/kg・体重を2週間隔で投与)を静脈内投与する群と、プラセボを投与する群に1:1の割合で無作為に割り振った。
主要エンドポイントは、臨床認知症評価尺度*3スコア(0~18で、数値が高いほど障害が大きいことを示す)のベースラインから18ヵ月までの変化量とした。
主な副次的エンドポイントは、PET上のアミロイド蓄積の変化量、AD評価尺度の14項目の認知機能下位尺度(ADAS-cog14)*4 スコア(0~90で、数値が高いほど障害が大きいことを示す)、アルツハイマー病複合スコア*5(ADCOMS;0~1.97で、数値が高いほど障害が大きいことを示す)、アルツハイマー病共同研究の軽度認知障害における日常生活動作評価尺度*6(ADCS-MCI-ADL)スコア(0~53で、数値が低いほど障害が大きいことを示す)とした。
【結果】
1,795例が組み入れられ、898例がレカネマブ、897例がプラセボの投与を受けた。ベースライン時のCDR-SBスコアの平均は、両群とも約3.2であった。ベースラインから18ヵ月までの変化量の補正後の最小二乗平均値は、レカネマブ群で1.21、プラセボ群で1.66であった(差 -0.45,95%信頼区間[CI] -0.67~-0.23,P<0.001)。
698例で行ったサブ試験では、脳内アミロイド蓄積量の減少は、レカネマブ群のほうがプラセボ群よりも大きかった(差 -59.1センチロイド、95% CI -62.6~-55.6)。その他の尺度もレカネマブのほうが良好であり、ベースラインからの変化量における群間差の平均は、ADAS-cog14スコアが-1.44(95% CI -2.27~-0.61,P<0.001)、ADCOMSが-0.050であった(95% CI -0.074~-0.027,P<0.001)、ADCS-MCI-ADLスコアが2.0(95% CI 1.2~2.8,P<0.001)。
レカネマブを投与した参加者の26.4%に注入に伴う反応(インフュージョンリアクション)、12.6%に浮腫または滲出液貯留を伴うアミロイド関連画像異常が認められた。
【結論】
レカネマブの投与は、18ヵ月の時点で、早期ADにおけるアミロイド関連マーカーを減少させ、認知・身体機能尺度の低下がプラセボよりも小さかった。しかしながら、レカネマブの投与による有害事象との関連も観察されたことから、早期ADに対するレカネマブの有効性と安全性を明らかにするためには、より長期の試験が必要である。

用語の解説
*1.プロトフィブリル
プロトフィブリルとは、モノマーが重合および凝集して形成される線維(フィブリル)の前段階である物質の総称。Aβ、αシヌクレインやタウ蛋白質、フィブリノゲン、インスリン、セルロースなど様々な物質がプロトフィブリルを形成する。Aβは20年程度かけて凝集しながら脳内にたまっていく。まずはAβの単量体が2個以上結合した低分子オリゴマーとなり、さらに多くが集まってプロトフィブリルなど の高分子オリゴマー化する。凝集が進むと最後は線維状となり、線維を成分とする老人斑が形成される。
*2.軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)
ADによる認知症には、認知症になる一歩手前の段階があり、この段階を「軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)」と呼ぶ。MCIは、正常な状態と認知症の中間であり、記憶力や注意力などの認知機能に低下がみられるものの、日常生活に支障をきたすほどではない状態を指す。65歳以上でMCIの人の割合は15~25%と推定されており、MCIであることが気づかれないままになっている人も少なくないと考えられる。
*3.臨床認知症評価尺度(Clinical Dementia Rating)
記憶、 見当識、 判断力と問題解決、地域社会活動、 家庭生活および趣味・関心、 介護状況の6項目について評価し総合判定を行う。 合計点は「CDR-SB (Sum of Boxes)」、 各スコアの総合的評価は「CDR-GB」や「全般的スコア」と呼ばれる。早期ステージのADを対象とした治療薬の適切な有効性評価項目としても使用される。
*4.ADAS-Cog
ADを対象とした臨床治験でグローバルに最も広く用いられている検査方法である。ADAS-Cog14は単語再生、命令、構成行為、物品と手指の呼称、観念行為、見当識、単語再認、検査教示の記憶、話し言葉の理解、換語、話し言葉の能力、単語の遅延再生、数字の消去、迷路という14項目を評価するもので、MCIを含む早期ADを対象とした試験で用いられている。
*5.ADCOMS
早期ADの変化を感度よく検出することを目的とし、ADAS-Cog、精神状態短時間検査(MMSE; Mini-Mental State Examination)、CDRの3つの臨床評価尺度を組み合わせたエーザイが開発した評価指標である。
*6.ADCS MCI-ADL
MCI当事者の日常生活動作を評価するスケールであり、最近の日常生活動作における実際の様子を被験者のパートナーへの24項目の質問から評価する。
今回の論文のポイント
臨床治験(第3相)でレカネマブの臨床効果が明らかになったことは、プロトフィブリルが神経変性疾患の治療標的として確立されたことになり、大変意義深いと言えます。
その一方で、レカネマブの作用は脳浮腫や薬剤注射の際の急性輸液反応などの副作用を伴い、今後の改良が必須だと思われます。
プロトフィブリルが進化の過程で淘汰されなかったのは、生殖期におけるプロトフィブリルの生理学的機能に関係していると想定されますが、レカネマブのAD臨床治験の成功は、これに関して何ら言及しません。このまま、プロトフィブリルの正体を知ることなくして治療開発が成功するのか少し疑問に思うところです。

投稿者: 大橋医院

2024.09.19更新

私は、西濃、大垣、5群の小学生、中学生、高校生の心電図解析をしています。

大変な数多い生徒さんの心電図を解析しています。

心電図は、P波(心房),QRS(心室)、T(休憩時間)の電気的信号です。

心電図の解析は、複雑で、不整脈もあり、説明は困難です。

学校健診で異常所見の方、岐阜県大垣市伝馬町104-1;TEL,0584785305、09025737850へお越しください。

今までも、先天性心奇形、危険な不整脈、を見つけてきました。

私は、大垣幼稚園、大垣東小学校、大垣東中学校の校医です。

 

投稿者: 大橋医院

2024.09.19更新

全身性自己免疫疾患:

全身症状として発熱である。40℃を超えることがある。

皮膚粘膜症状、関節、呼吸器症状、腎症状、神経症状、循環器、呼吸器症状、血液症状、泌尿器症状、消化器症状など多岐にわたる。

蝶形紅斑:両側頬部に存在し、鼻を超えて蝶々のような発疹ができる。

T細胞からのシグナル伝達異常が原因の一つ。

10万人当たり100人の発症、ご心配な方は当院へ!

病院、病態は遺伝因子、環境因子複合的要因で発症、抗リン脂質抗体も絡み、治療も多岐にわたり、当院にご相談ください。

 

投稿者: 大橋医院

2024.09.19更新

近年、腸内細菌の解析が進歩している。人の腸管内には多種多様な腸内細菌が存在し、患者さんの代謝や生体の恒常性維持に需要な役割を持つ。

腸内細菌が糖尿病、肥満などの代謝性疾患や炎症性腸疾患などの病態に関与している。

腸管における免疫寛容を誘導することで動脈硬化が予防できることがわかり、

冠動脈疾患、心不全、心房細動、大動脈瘤などの循環器疾患に、特徴的な腸内細菌叢が明らかになった。

高安動脈炎、肺高血圧症など難病との関連性も叫ばれている。

腸内細菌叢と心血管疾患の研究はますます盛んになる。

投稿者: 大橋医院

2024.09.19更新

腎、泌尿器疾患は、症状に乏しい。

それゆえ、検尿は大切な検査で、おしっこをためて、当院へ来院するように!

血尿は顕微鏡的血尿から肉眼的血尿にに分かれ、多種多様な原因で起こる。

尿潜血陽性率は女性に多く、男女ともに加齢とともに上昇する。

性差では、尿路感染は女性で高く、月経時を避けて判定する。悪性腫瘍も原因の一つであるが、男性の血尿は怖い。

Covid-19ワクチンと血尿が関連する。IgA腎症が再燃することがある。

尿細胞診、超音波、尿沈渣は大切。

腎細胞癌、IgA腎症、、腎盂腎炎、腎静脈血栓症、尿管結石、膀胱癌、膀胱炎、前立腺癌、、、、、、

血尿には多くの病気が隠れており、おしっこを溜めて当院で、尿検査をしましょう。

 

投稿者: 大橋医院

2024.09.19更新

2015年の夏、国会議事堂前には、大勢の人たちが詰めかけ、安倍政権の手法に抗議しました。

しかし、民主主義とは多数決の原理。安倍政権に、多くの国民が信任を与えているからこそ、

安保関連法案は成立したのです。憲法を、そして民主主義を考える絶好のチャンスを、2015年の

夏は私たちに与えてくれました。自由闊達に議論し、議論することが批判されることのない社会。

それこそが民主主義社会だと思うのです。

投稿者: 大橋医院

2024.09.16更新

生きているということは、やはりそれは生かされているということなのです。私たちはいきているよいうことで、

様々なものを必要とします。自分より弱い生物や植物を食べ物として摂取することでこの体のエネルギーを維持している。

光も必要だ。暖かさも必要だ。石油も使う。水も使う。空気も必要である。私たちは必死で取り込むことによって、このか細い小さな命というものを支えて生きている。

私達が遊んでいる間も、眠っている間も、私たちの体は休みません。

免疫の働きというものがあって、必死で白球球やいろいろな細胞たちが働き、そしてこの体の健康の状態を維持しようとしている。

私達は、生かされているいる存在であり、そして私たちは精神を持ち合わせている。愛や希望、目的、勇気などによって、ようやく私たちは生きている。

その生きてきた過程振り返ってみると、よくもここまで生きてきたなと、思い返さずにはいられません。

十年、三十年、五十年、六十年、八十年、生きてきたと仮定しても、人間として十分な大きな役割を果たしました。

このように考えてみますと、人間の命の実感、生命というものはかけがえのない重いもので、自分の命、他人の命、どちらも大切な命です。

私は、医師として、生かされている限り、この命をより良い方向へ全身全霊をもって、働きたいと思います。

投稿者: 大橋医院

2024.09.15更新

<私の治療方針>  大橋信昭
私の治療方針について述べる。私は患者さんが診察室に入ってきたら、顔色、全身を観察する。電子カルテの普及で今、コンピューターばかり見て、患者さんの顔は全く見ない医者がいるそうだが、私は絶対に患者さんのお顔を最初に見る。貧血、チアノーゼ、黄疸、血色が良いかなどを見る。医学の神様といわれたヒポクラテスは顔色を見ただけで胃癌を診断した。「ヒポクラテス顔貌」という。そして、私の診察室に座る行動も、じっくり観察する。不安なく座るか、杖を突いていかにも転倒しそうに脚力が弱っていないか、太っているか、サルコペニアのようになっていないか、鋭く観察する。そして問診である。これは大切である。「どうしました?」と主訴を求める。胸が圧迫される、動悸がする、頭が痛い、おなかが痛い、下痢が続く、などである。それだけではいけない。いつからか?一日中か、食前か、食後か、労作後か、朝布団の中で早朝か?詳しく聞く。始終、笑顔で優しく、もうすっかりこの段階で、患者さんは、私に心を開いていなくてはいけない。既往歴、薬剤アレルギーを聞き、家族歴も詳しく聞く。もうこのあたりで、狭心症、胃炎、大腸炎、脳神経疾患など的を絞る。そうして、今の医師が忘れがちな打聞診である。これはしっかり行う。女性の方など私が男性であるから羞恥心が多いにあるから十分気を付ける。上半身から心肺音、胸部、背中、聴診器をしっかり当てる。患者さんが不安にならないように心を安心させる気配りはしっかりとる。そして仰臥位にさせて、腹部をしっかり触れる。腹膜刺激症状がないか、柔らかいか、圧痛点はないか、聴診器も当てて、腸蠕動、胃の音も見る、肝臓が腫大してないか、脾臓はどうか、虫垂はどうか、細かく繊細に行う。肺から肝臓に向けて打診を行い、肺肝境界を確認する。素早く慎重に行い気が付く所見はカルテに記載する。腰の痛い患者さんは仰臥位さえ痛く起き上がるときに痛む。神経学的所見も怠ってはいけない。このあたりで、胃腸疾患か、心臓、肺、脳神経疾患か見当がつく。そして、患者さんの許しをもらえたら、当院で必要な検査をする。
当院は小さな診療所で検査も限られているが、採血、心電図、超音波、血管伸展検査、検尿、レントゲン検査、必要あれば,肛門に指を挿入し出血,便の色、腫瘍の有無なども見る。苦痛の無いように優しく行う。最近、感染症が油断できないから、Covid-19、インフルエンザ、RSウィルス、皮膚所見もしっかり見て帯状疱疹の有無も観察する。Covid-19,インフルエンザは鼻粘膜を擦過して検査を行い、患者さんには苦痛が大きいから、そこの所は私がプロで苦痛が無いように行う。患者さんの感情を注意して、タイミングを見て、大相撲の話し、老人は水戸黄門の話をすれば夢中である。おおむね疾患に私は見当をつけ、患者さんが不安にならないように病名を告知し、決して心配ないであろうという。今後の治療方針㋾述べ、今日一日で治癒するものは有難いし、検査結果を見て、病名を絞る患者さんは後日、できるだけ早く、来てもらう。ここまでくると、私と患者さんはすっかり打ち解け、友人のごとく、親しく、異常気象で暑すぎる、世界が戦争のない状態になるようお互いに願う。お互いの趣味も話し合う。笑顔が飛び交う。必ず患者さんには、前向きの話し、希望を、安心を与える。すぐに治る、元のように安心して生活ができることを告げる。しかし、悪性疾患を最初から疑う患者さんは、はっきりしたら慎重に告知し、専門病院に連絡を取り、患者さんと専門医が納得してくれば、手遅れにならないように紹介状をできるだけ丁寧に書き紹介する。緊急疾患もある。心筋梗塞、脳梗塞、かなり広がった肺炎は、バイタルを確認し救急搬送する。昨今、救急車の乱用が問題になっているから緊急疾患でなければいけない。こんなことを考えているうちに私の診察は日は暮れる(完)

投稿者: 大橋医院

2024.09.13更新

9月15日、16日、感冒、腹痛、発熱などでお困りの方は

岐阜県大垣市伝馬町104-1 大橋医院院長 大橋信昭まで

ご相談ください。

0584785305 09025737850

投稿者: 大橋医院

2024.09.13更新

シアノコバラミン(ビタミンB12)プラスノイロトロピン):抗アレルギー、消炎鎮痛のお注射、

メリスモンの注射、しかし内服薬で、

オメガ3(EPA,DHA)、トコフェノールニコチン酸(抹消循環改善)、シナール(美肌、免疫力増強)、

トランサミン(美肌、抗湿疹)、以下健康薬:ビオスリー、タチオン、ハイチオール、チョコラA,パントシンなど)

当院にご相談ください。

投稿者: 大橋医院

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