2024.10.18更新

アラジール症候群(Alagille syndrome)
今回のPoint
● 日本の患者数:200~300人程度と推定(令和4年度末現在特定医療費(指定難病)受給者証所持者数44人)
● 性別:男女とも
● 主な症状:肝内胆管減少症による胆汁うっ滞、角膜ジストロフィー、成長障害、肝腫大、心室中隔欠損症など
● 原因遺伝子: JAG1、NOTCH2
● 治療:脂溶性ビタミンや中鎖脂肪酸(MCT)補充などの栄養療法、肝移植など
――― 疾患の特徴
アラジール症候群は、生まれつき肝臓や心臓などさまざまな臓器に症状がある遺伝性疾患です。主に症状が現れるのは「肝臓」「心臓や血管」「目」「椎骨」「顔立ち」の5つですが、必ずしも5つ全てに症状が現れるというわけではありません。症状の種類や重症度は人によって異なり、同じ家族内でも気付かないほど軽いものから、移植が必要となる重篤な心臓病や肝臓病までさまざまです。経過に関しても同様です。5つ全てに異常が見られる場合は「完全型アラジール症候群」、肝臓を含めた3つの症状が見られる場合は「不完全型アラジール症候群」となります。また、アラジール症候群として報告されている中には、症状が条件に当てはまらなくても、アラジール症候群特有の遺伝子に変化が見られた場合も含まれています。
この疾患は、通常、乳児期または小児期の早期に見つかります。肝内胆管減少症による胆汁うっ滞が原因で起こる黄疸により、乳児期に見つかるケースが多いとされています。心雑音など心臓の異常により見つかることもあります。まれに、腎臓病や、もやもや病など血管の病気で気付かれるケースもあります。胆汁うっ滞により、皮膚のかゆみや、黄色腫、ビタミン吸収の障害による出血・骨折なども引き起こされる場合があります。特徴的な顔立ちは、幼児期に入ってから目立ってきます。発達の遅れや成長障害、性腺機能不全、消化管の異常が見られる場合もあります。
日本にアラジール症候群の患者さんは200~300人いると推定されています。男女で発症のしやすさに違いはなく、特定の地域でこの疾患が多いということもありません。世界的には3~7万人に1人がアラジール症候群を発症すると推定されています。ただし、症状が軽いなどの理由により診断されていない人もたくさんいると考えられており、実際にはもっと多い可能性があります。
アラジール症候群は、国の指定難病対象疾患(指定難病297)、および、小児慢性特定疾病の対象疾患です。
――― 原因遺伝子
アラジール症候群の原因遺伝子として、「JAG1」「NOTCH2」が見つかっています。
JAG1遺伝子は、20番染色体の20p12.2に存在しており、「Jagged-1」というタンパク質の設計図となる遺伝子です。NOTCH2遺伝子は、1番染色体の1p12に存在しており、Notch2受容体というタンパク質の設計図となる遺伝子です。
いずれも細胞膜タンパク質であるJagged-1とNotch2受容体がお互いにくっつくと、細胞の機能に関連する一連のシグナル伝達反応(Notchシグナル伝達)が起こります。Notchシグナル伝達は、胎生期の発生過程に影響するものです。アラジール症候群の発症につながる、JAG1遺伝子やNOTCH2遺伝子の変異は、Notchシグナル伝達経路が正常に機能しなくなる変異で、その結果、特に胆管、心臓、脊柱、顔立ちに影響が現れている可能性があると考えられています。しかし、詳細はまだ解明されていません。
JAG1遺伝子に変異がある場合は「アラジール症候群1型」、NOTCH2遺伝子の場合は「アラジール症候群2型」と、区別されています。しかし、アラジール症候群の特徴を満たす人全員にどちらかの変異が必ず見つかるというわけではありません。また、これらの遺伝子に変異があっても、軽症で不自由なく生活している人もいます。
アラジール症候群1型と2型は、基本的に常染色体優性(顕性)遺伝形式で遺伝するとされていますが、変異があっても軽症や無症状の人もいます。そのため、遺伝子を受け継げば必ず発症するものではなく、無症状の保因者となることもあります。

米国国立医学図書館が運営する医療情報サイト「MedlinePlus」によると、アラジール症状群の約30~50%は、両親のどちらかがアラジール症候群で、その遺伝子変異を受け継いだことにより発症しています。この他に、血のつながった家系内にアラジール症候群の病歴がなく、両親ともにアラジール症候群ではない場合でも、生まれてくる過程で原因遺伝子に変異が起きて、アラジール症候群になるケースがあります。
――― 診断方法
アラジール症候群には、診断基準があります。
具体的には、「胆汁うっ滞」「心血管系の異常(末梢性肺動脈狭窄が最も特徴的所見)」「骨格の異常(蝶形椎体が特徴的所見)」「眼球の異常(後部胎生環が特徴的所見)」「特徴的な顔立ち」の5つの症状・所見のうちの3つ以上が当てはまり、肝臓の病理検査で小葉間胆管の減少が認められた場合に、アラジール症候群の典型例と診断されます。
上記5つの症状・所見のうちの1つに当てはまる、または腎臓、脳血管、膵臓などにアラジール症候群に特徴的な症状がみられる場合で、血縁者にアラジール症候群と診断された人がおり、常染色体優性(顕性)遺伝形式に矛盾しない遺伝の仕方をしている、または遺伝子を検査してJAG1遺伝子もしくはNOTCH2遺伝子に変異があるとわかった場合、アラジール症候群の非典型例、変異アリルを有するが症状の乏しい不完全浸透例と診断されます。
――― 治療法
今のところ、アラジール症候群の根本的な治療法は見つかっていません。
胆汁うっ滞がある場合、脂溶性ビタミンを長期的に内服します。胆汁の流れを促す利胆剤や、胆汁うっ滞によるかゆみを軽減する薬も内服します。赤ちゃんの場合、胆汁がないと脂質の吸収が悪く成長障害につながるため、中鎖脂肪酸(MCT)の豊富なミルクを使用することもあります。かゆみに対しては、陰イオン交換樹脂や脂質降下薬を内服する場合もあります。
胆汁うっ滞が続いて肝硬変になってしまった場合は、肝移植が行われることがあります。また、著しいかゆみ、成長障害、骨折を繰り返すなど、QOLの著しい低下がみられた場合にも、肝移植が行われることがあります。胆汁のスムーズな流れを促すために、部分胆汁瘻という外科手術も試みられており、良好な成績が報告されてきています。
心臓病の経過も人によりさまざまですが、重症の場合、本人の状態により適切なタイミングでカテーテル治療や外科手術が行われます。重症の腎臓病に対しては、透析や腎移植などが必要になる可能性があります。重症な場合でも、肝移植や心臓の手術で命を落とさないことが可能になってきています。
日常生活において、乳児期には、体重の増加がきちんとみられるか、発達が順調かどうかを確認することが重要です。病態に合わせて、食事内容や水分・塩分に気をつけます。心臓病がある場合には、運動が制限される場合もあります。成人後は、肝臓に負担がかかるアルコールの過度な摂取は控えることが望ましいとされています。また、動脈硬化の原因となる喫煙も避けたほうが良いとされています。
参考サイト
難病情報センター
小児慢性特定疾病情報センター アラジール(Alagille)症候群
MedlinePlus
Genetic and Rare Diseases Info

 

投稿者: 大橋医院

2024.10.18更新

【症例】11歳の男児。1週間前に右膝を怪我し、発熱があり、身体が赤くなったため受診。咽頭発赤はあるものの、溶連菌迅速検査は陰性。皮疹は、紅斑で体全体に見られ、紅斑は膨隆疹ではなかった。手足の浮腫も見られた。経過中には皮膚の落屑はなかった。

「蕁麻疹?」もしかしたら「川崎病?」
 紅斑が見られることから、感染症に伴う急性蕁麻疹の可能性もあるかもしれません。また、膨隆した皮疹ではなく、数日での皮疹の消失はありませんでした。また、発熱、皮疹、手足の浮腫があることから、川崎病の可能性も考えられますが、年齢及び他の症状(眼球結膜充血、口唇の発赤、イチゴ舌、頸部リンパ節腫脹)がないことから、川崎病の可能性は低そうです。怪我の部分から黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出されたことから、発疹の原因としてはToxic-shock syndrome(TSS)様発疹症が考えられます。

TSS様発疹症と鑑別を要する疾患
 紅斑と発熱の鑑別診断が必要になります。麻疹や風疹などのウイルス性発疹、リケッチアなどの感染症、感染症に伴う蕁麻疹の免疫・アレルギー疾患などです。また、ブドウ球菌では、その毒素によって、TSSやブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(staphylococcal scalded skin syndrome:SSSS)が起こります。TSSよりは軽症で、新生児TSS様発疹症(Neonatal toxic-shock syndrome-like exanthematous disease)に近い病態ですが、原因菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)ではありませんでした。

「診断:TSS様発疹症」
 TSSは、黄色ブドウ球菌から産生されるエクソトキシンであるTSST-1(toxic shock syndrome toxin-1)、enterotoxin Cなどで起こる症候群で、発熱、びまん性の紅斑性発疹、発症1-2週間後の落屑、血圧低下を特徴とし、多臓器障害として嘔吐、下痢、激しい筋肉痛、意識障害、敗血症性ショック、播種性血管内凝固症候群(DIC)、腎不全、肝機能異常などの3臓器系以上の障害を起こします。

 新生児では、落屑はなく、①原因不明の発疹(全身性丘疹状紅斑、融合傾向を示し、表皮脱を来すことは通常ない)、②38度以上の発熱、15万/μL以下の血小板減少、CRP 1-5mg/dLの弱陽性のうち1つ以上、③既知の疾患を除くこと─―が診断基準とされる新生児TSS様発疹症があり、軽症で自然軽快し、ショックを示さず、MRSAによるTSST-1が原因であるとされています。

 本症例では抗菌薬とステロイドによる治療により2日程で解熱し、皮疹も消失しました。落屑は見られませんでした。本症例ではTSST-1、enterotoxin Cの産生菌の証明ができていないので、確定診断は困難ですが、MSSAによるTSS様発疹症が最も考えうるものでした。

(注)なお、本記事で紹介した症例に対する診断が、症状が類似したすべての症例に当てはまるわけではありません。

※参考文献
1) 日本皮膚科学会蕁麻疹診療ガイドライン改定委員会. 蕁麻疹診療ガイドライン2018. 日皮会誌. 2018; 128:2503-2624.
2) Absorbent Hygiene Products Manufacturers Association(AHPMA).トキシックショック症候群 医療従事者向けガイド.
3) 日本川崎病学会、特定非営利活動法人日本川崎病研究センター、厚生労働科学研究 難治性血管炎に関する調査研究班. 川崎病診断の手引き 改訂第6版.2019
4) 清益功浩 他. ブドウ球菌(MSSA)によるTSS様発疹症を呈した1例. 小児科臨床. 2013; 66:913-918.

記事へのご意見をお聞かせください

投稿者: 大橋医院

2024.10.17更新

幼虫移行症とは
 「幼虫移行症」という疾患があります。日本寄生虫学会監修の『図説 人体寄生虫学』(南山堂)では、「ヒト以外の動物を固有宿主とする寄生虫の感染型がヒトに侵入した場合、成虫に発育することができず幼虫のままヒト体内を移行し種々の症状を引き起こす。このような症候群を幼虫移行症という」とあります。移行というのは、あっちこっちうろうろするということですね。

 さて、幼虫移行症という概念は1950年代に米国のBeaver博士によって確立されたもので、網膜芽細胞腫として摘出された小児の眼球の病理検査で、腫瘍細胞ではなく線虫の幼虫が発見されたのがそもそもの発端でした。最初は鉤虫の幼虫とされたのですが、その後イヌ回虫と鑑定され、さらに、高度な好酸球増多と肝の肉芽腫を呈した小児の病理標本にもイヌ回虫が見出されて、動物の寄生虫もヒトの病気の原因になるということでこのような疾患概念が提唱されました。

イヌ回虫は仔イヌの回虫
 現在はいろいろな寄生虫が幼虫移行症の原因になることが知られていますが、一番重要なのは、やはりイヌ回虫でしょう。では、イヌ回虫というのはどんな寄生虫なのでしょうか。

 イヌ回虫はその名の通り回虫の仲間で、成虫は生後半年くらいまでの仔イヌの小腸に寄生しています。成犬になると免疫の作用で寄生できなくなるといわれています。メスは小腸内で虫卵を産み、仔イヌの糞便中に虫卵が排出されます。この虫卵は外界に出てきてすぐはまだ感染力がありませんが、適度な水分と酸素の存在下で成熟し、中に感染性の幼虫が入った「幼虫包蔵卵」(または「幼虫形成卵」)と呼ばれるものになります。

 仔イヌが幼虫包蔵卵を摂取すると、小腸で孵化した幼虫が粘膜にもぐって血管またはリンパ管に入り、血管内の幼虫は肝臓を通過して、肺に到達します。肺で幼虫は血管から肺胞に移り、気道をさかのぼって喀痰とともに飲み込まれて、胃を通過して小腸に下りて来ます(図1)。このような移動を「体内移行」といい、ヒトの回虫も同様の動きをします。小腸で孵化するんだからそのまま小腸にいればいいものを、なぜか肺を通るわけですが、おそらく、肺で発育に必要ななんらかのスイッチが入るのだと思います。


図1 イヌ回虫の体内移行

イヌ回虫のめくるめく生活環
 これだけだったらただの仔イヌの寄生虫ですが、イヌ回虫のすごいところは、仔イヌ以外のニワトリ、ネズミ、ウシ、さらには成犬といった「非好適宿主」が幼虫包蔵卵を摂取しても、幼虫が感染力を保持したまま生き続けるところです。非好適宿主にはヒトも含まれます。

 非好適宿主に幼虫包蔵卵が飲み込まれると、小腸で孵化した幼虫は直接あるいは肝を通過して肺に到達します。ここまでは仔イヌと同じですが、肺で気道には移らず、そのまま通り抜けて心臓に戻って全身に散布され、筋肉や中枢神経に入った幼虫は休眠状態となり生き続けます。そしてさらにその宿主が別の動物に食べられると、筋肉や中枢内の幼虫は小腸で目覚めて、また粘膜から脈管に入り、新しい宿主の筋肉や中枢内で生き続けます。

 一体いつになったらイヌ回虫は成虫になるのでしょうか? 非好適宿主であるメスの成犬は、幼虫包蔵卵や感染動物を摂取することで体内にイヌ回虫の幼虫が蓄積していきます。そんなメスイヌが妊娠すると、妊娠後期に幼虫は胎盤を通って胎児に移動、肺呼吸の開始とともに肺を通過して小腸に下りてくるのです。すごいでしょ? また、割合は小さいですが、母乳を介した垂直感染も起きます(図2)。


図2 イヌ回虫の宿主移動

 そういえば子どもの頃、親に頼んでどこかからもらってきた仔イヌのお腹に虫がいるということで虫下しを飲ませたことがありました。子ども心に「室内飼いできれいなところにいるのになんで寄生虫?」と不思議だったんですが、あれはイヌ回虫で、お母さん犬がワイルドな生活をしていたんだと思います。完全に理解した。

幼虫移行症の病型
 私たちの研究室の活動に、寄生虫症の診断支援があります。主に蠕虫の抗体検査を引き受けていて、その結果、いろいろな寄生虫症の診断に関わっています。診断の結果はさまざまですが、過去10年くらいの累計ではイヌ回虫を含む動物由来の回虫類による幼虫移行症が全体の3分の1くらいを占めています。

 「イヌ回虫を含む動物由来の回虫類による幼虫移行症」という長ったらしい言い方をしたのは、イヌ回虫症、ネコ回虫症、ブタ回虫症の三者は臨床的に区別がつかず、全部ひっくるめて「動物由来の回虫類による幼虫移行症」と呼んでいるからです。また、イヌ回虫症とネコ回虫症は抗体検査でも区別がつかないので、両者合わせてトキソカラ症といいます(イヌ回虫の学名はToxocara canisでネコ回虫はToxocara cati)。割合ではトキソカラ症が動物由来の回虫類による幼虫移行症の約9割を占めています(Yoshida A, et al. Eur J Clin Microbiol Infect Dis. 2016;35:1521-9.)。

 動物由来の回虫類による幼虫移行症の症状は虫がどこにいるかによって異なります。肝臓や肺に虫体がいる内臓型では発熱や倦怠感、脊髄では脊髄炎によるしびれや異常感覚(神経型)、網膜に入れば視力障害が出ます(眼型)。

 内臓幼虫移行症では、特に末梢血好酸球増多が顕著で、自覚症状がなく、定期健康診断で白血球増多を指摘されて発覚するパターンもよくみられます。不思議なことに、神経型や眼型では寄生虫体数が少ないのか、好酸球もIgEもあまり上がってきません(図3)。虫がたまたま脊髄や網膜に迷入して、症状が出やすいので受診につながるのだろうと考えています。


図3 動物由来の回虫類による幼虫移行症の臨床像
画像は吉川正英先生(奈良県立医科大学)提供。データは吉田ら(2016)より

>クリックして拡大

 治療は、病型にかかわらずアルベンダゾール200mg錠を1回2錠1日2回(体重が55 kg未満の場合は1回1錠1日3回)を4週間以上の内服です。4週で改善しないときは2週間休薬して、また4週間の投与が行われます。副作用は主に一過性の肝機能障害です。

日本の幼虫移行症はおとなの病気
 当研究室が診断に関与した動物由来の回虫類幼虫移行症例について、年齢性別分布や食歴などについて調べたところ、患者さんは中高年の男性に多く、食歴の記録では肉やレバーの生食が目立ちました(図4)。


図4 動物由来の回虫類による幼虫移行症の年齢性別分布・病型割合
データは吉田ら(2016)より

>クリックして拡大

 欧米や途上国ではトキソカラ症は子供の病気とされていますが、日本では間違いなく大人の病気です。多くの例で仔イヌやネコ、ブタなどの感染動物の飼育は確認できなかったことから、主な感染源は土壌中の虫卵ではなく、動物の肉・内臓が主と考えていいようです。

 ちなみにこの研究では、大変に興味深い事実が明らかになりました。年代ごとの病型を調べてみると、若い世代ほど眼型が多くなっていたのです(図4)。欧米の教科書にはトキソカラ症は「子供の目の病気」と書いてあります。患者さんに子供が多いので眼型が多いのでしょう。なぜ子供だと目に行くのか? 理由はまったく分かりません。完全な謎です。

やっぱり日本人の生肉好きは異常
 メインの感染源が生肉・生レバーならば、焼くか煮るかをすれば動物由来の回虫類への感染リスクはぐっと減ります。ところが、というかなんというか、どうも肉やレバーの生食をやめたくない人たちが大勢いるようです。試しに「生レバー(レバ刺し)」でウェブ検索をしてみると、それはそれはいろいろ出てきます(図5)。


図5 ウェブの検索結果「生レバー(レバ刺し)」

 その中で、韓国で生レバーを食べたというネット上の声(要約、一部改変)をいくつか拾ってみると……。

<ネット上の声(要約、一部改変)>

・日本では生の牛レバ刺しは2012年7月から禁止、豚の生食は2015年6月に禁止になっている。調べたら韓国では現在も合法で、専門店が多く存在するらしい。これは行くしかない。

・韓国と言えばレバ刺し、レバ刺しと言えば韓国、ということで今回はレバ刺しを食べに韓国に行ってきました。韓国で安全においしいレバ刺しを食べることができるお店を紹介します。日本では味わうことができないレバ刺し、ぜひ、友人や家族と行ってほしいです。生肉は体質により体調を崩すおそれもあるので自己責任でお願いします。ちなみに、胃腸が弱い私は大丈夫でした。

 あのですね……自己責任て……。ちなみに私たちの研究室で血清抗体検査をしてトキソカラ症と診断されたご夫婦がいらっしゃるのですが、最初のサイトで絶賛されていたお店で生レバーを食べたようです。

 最近も、半生ハンバーグで病原性大腸菌の食中毒というニュースがありました。トキソカラ症が命にかかわることはまずありませんが、細菌やウイルスはシャレになりません。ほんと、この生食信仰はなんとかならんものかと思います。

投稿者: 大橋医院

2024.10.16更新

「GIST」とは
 胃には多くの細胞が存在しています。そのため、食べたものを消化する胃袋の内側にある粘膜から生じる「癌」や「良性ポリープ」、「リンパ腫」、さらには粘膜の下に腫瘤(しゅりゅう)状の病変を形成する悪性腫瘍の一種である肉腫などさまざまな腫瘍が発生します。


GISTの発育タイプ
 消化管粘膜の下に発生する悪性腫瘍のGIST(Gastrointestinal Stromal Tumor)は日本語で消化管間質(かんしつ)腫瘍と呼ばれます。その発生頻度は、年間10万人に1〜2人で、男女差はないとされています。発生部位は、胃が約50~70%と最も多く認められます。GISTは、消化管粘膜の下の筋層などに存在している細胞や前駆細胞が異常に増殖し、腫瘍化することによって生じます。 発育のタイプとして、消化管の内腔側に発育するタイプ(管内発育型)、消化管壁の外側に発育するタイプ(管外発育型)、その中間(消化管壁内発育型)に分類されます。


GISTの症状
 腫瘍が小さければ、ほとんどの場合は無症状です。腫瘍が大きくなると、腫瘍によって消化管の内腔が圧迫され、吐き気や腹痛をきたす他、腫瘍からの出血による下血(黒い色の便)、貧血などの症状が現れることがあります。
 しかしこれらは、GISTに限った症状ではないため、疾患に気づきにくい点があります。そのため、早期発見には検査が大切です。

 
GISTの検査
 
 内視鏡での検査によって、無症状でも初期段階で腫瘍を発見できる可能性が高まってきています。GISTの多くは、正常な粘膜に覆われた出っ張りのように認められることが多く、潰瘍を形成しているものもあります。また、2~3cmほどの小さいGISTの確定診断に、超音波内視鏡下に病変に細い針を刺して細胞を採取する超音波内視鏡下穿刺吸引術(endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration: EUS-FNA)を行うこともあります。そしてCT検査で、腫瘍の位置や発育タイプ、周囲臓器への浸潤、肝臓や肺などへの転移を調べます。

GISTに対する治療法
 
 2cm以上のものは切除したほうがよいとされています。2cm以下でも、GISTが疑わしい場合は切除をお勧めいたします。
リンパ節転移をすることはほとんどありませんので、可能な限り胃を残して腫瘍の部分(胃の壁ごと)だけを切除します。術後の胃の機能障害はほとんど起こりません。腹腔鏡手術や開腹手術が行われます。5cm以上の腫瘍では開腹手術が安全です。
 腹腔鏡・内視鏡合同手術 (laparoscopy and endoscopy cooperative surgery: LECS)という低侵襲手術もあります。これは保険診療の対象です。LECSとは、口から入れた内視鏡による消化管の中と腹腔鏡による消化管の外からGISTを観察し、切除する範囲を極力最小限にする手術です。
 杏林大学病院上部消化管外科では、口から取り出せる大きさ(3cmまで)の管内発育型GISTに対し、体に傷をつけることなく口から入れた内視鏡だけで胃の全層を切除する究極の低侵襲治療(内視鏡的全層切除)を研究として行ってきました。この方法では、術後の痛みも胃の機能障害もほとんど起こりません。今後は内視鏡的全層切除は「先進医療」として行われる予定です(医療費の一部は患者さん負担となります)。

手術後の治療
 
 切除した腫瘍を顕微鏡で十分に観察します。腫瘍細胞の分裂の度合いで再発しやすさを表す高リスクや低リスクなどに分類されます。
きちんと切除が行われた後でも「高リスク」と判定された場合は、イマチニブ(商品名:グリベック)という薬を3年間内服する必要があります。転移していることなどで切除ができないGISTに対する治療の第一選択にも、イマチニブ(商品名:グリベック)の薬物療法が行われます。
 

 

投稿者: 大橋医院

2024.10.16更新

シャーガス心筋症におけるアミオダロンまたは植込み型除細動器:CHAGASICS無作為臨床試験
Martinelli-Filho M et al. JAMA Cardiol. 2024 Oct 2:e243169.
ポスト full text link
背景
年間10,000人以上のシャーガス病患者が心臓突然死(SCD)を経験しており、そのほとんどは心室細動が原因である。アミオダロン塩酸塩と植え込み型除細動器(ICD)は、慢性シャーガス心筋症患者のSCDを予防するために経験的に使用されてきた。慢性シャーガス心筋症で、Rassiスコアで評価した死亡リスクが中等度から高度の患者において、全死亡の一次予防にICDがアミオダロン療法よりも有効であるという仮説を検証する。ClinicalTrials.gov NCT01722942。

方法
CHAGASICSは非盲検無作為化臨床試験である。2014年5月30日から2021年8月13日までブラジルの13施設から患者を登録し、2021年11月8日を最終追跡期間とした。シャーガス病の血清学的所見が陽性で、Rassiリスクスコアが10点以上(中リスク~高リスク)、非持続性心室頻拍が1エピソード以上ある患者が参加対象となった。データは2022年5月3日から2023年6月16日まで解析された。患者はICDまたはアミオダロン(無作為化後に600mgをローディング投与)を投与される群に1:1で無作為に割り付けられた。主要アウトカムは全死亡で、副次的アウトカムはSCD、心不全による入院、追跡期間中のペースメーカーの必要性などであった。この試験は管理上の理由で早期に中止され、無作為化された患者は323例(アミオダロン群166例、ICD群157例)であった。解析はintention to treatで、追跡期間中央値は3.6年(IQR, 1.8-4.4)であった。平均(SD)年齢は57.4(9.8)歳、185例(57.3%)が男性、平均(SD)左室駆出率は37.0%(11.6%)であった。

結果
死亡はICD群で60例(38.2%)、アミオダロン群で64例(38.6%)であった(ハザード比[HR]、0.86[95%CI、0.60-1.22]、P = 0.40)。SCD(6例[3.8%] vs 23例[13.9%];HR、0.25[95%CI、0.10-0.61];P = 0.001)、ペーシングを必要とする徐脈(3例[1.9%] vs 27例[16.3%];HR、0.10[95%CI、0.03-0.34];P < .001)、心不全による入院(14[8.9%] vs 28[16.9%];HR、0.46[95%CI、0.24-0.87];P = 0.01)は、アミオダロン群と比較してICD群で少なかった。死亡リスクが中等度から高度の慢性シャーガス心筋症患者において、ICDは全死亡リスクを低下させなかった。しかし、ICDはアミオダロン療法と比較して、SCD、ペーシングの必要性、心不全による入院のリスクを有意に減少させた。この試験で得られたエビデンスを確認するためにはさらなる研究が必要である。

原文を読む
Amiodarone or Implantable Cardioverter-Defibrillator in Chagas Cardiomyopathy: The CHAGASICS Randomized Clinical Trial.

 

投稿者: 大橋医院

2024.10.15更新

小さくて無症状の場合は経過観察
筋腫が小さくて無症状の場合、治療はせず、経過観察をすることがほとんどです。筋腫の状態や場所に応じて定期的に検診を行い、筋腫が大きくなったり、症状が現われたりしてきた場合は治療を行います。子宮筋腫は、閉経を迎えるとエストロゲン減少の影響を受けて必ず小さくなるため、閉経が近い年齢であれば、経過観察を行いながら閉経を待つことになります。

薬での治療で症状を一時的に緩和できる
治療法には手術と薬があります。ただし、子宮筋腫の根本的な治療薬は今のところなく、薬で子宮筋腫を治療する場合は、子宮筋腫を小さくする偽閉経療法、もしくは過多月経や月経痛などの症状を軽くする対症療法をとります。

子宮筋腫の治療法①:偽閉経療法
 GnRHアゴニストという薬によってエストロゲンを抑制し、子宮筋腫を小さくする方法。しかしこの治療では女性ホルモンの分泌が少なくなるため、更年期のような症状が出たり、骨量が低下したりするリスクもある。そのため、この治療法の多くは手術の前に一時的に用いられたり、閉経が近い年齢の人への一時的治療として行われたりしている。最近では、これまでの注射や点鼻薬以外に内服薬も出ている。
子宮筋腫の治療法②:対症療法
 直接、筋腫に働きかける治療を行うのではなく、貧血や生理痛、下腹部痛といった付随する症状を和らげることで、間接的に治療を行う方法。緩和したい症状に応じて、それを抑える薬を使用する。

低用量ピルで月経量を減らすと症状と付き合いやすくなる。プロゲステロンを含有するピルを使うことで、筋腫が大きくならず、症状も緩和されることがある。
根治するには手術を行う
子宮筋腫を根治させるには手術を行います。妊娠を希望するかどうかによって、どちらの方法を選択するかが異なります。

子宮筋腫の手術①:筋腫のみを除去する手術(筋腫核出術)
 子宮を温存し、筋腫のみを除去する手術方法。筋腫の場所にもよるが、最近では腹腔鏡や子宮鏡を用いて手術を行い、開腹せずに筋腫を取り除くことが多い。また子宮筋腫は妊娠中に大きくなるが出産後には縮小する。妊娠・出産を望む場合は筋腫が妊娠や出産の妨げにならないよう先に手術をすることがあるが、その際、出産は帝王切開になるので、必要なければ取らずに妊娠を先行させる。
子宮筋腫の手術②:子宮全摘術
 子宮そのものを摘出し、子宮筋腫を根治させる方法。卵巣やその他、付随する組織は温存したままだが、子宮全体を摘出するので再発の心配はない。悪性の疑いがある場合や強い生理痛、過多月経などの症状がある場合で、今後の妊娠を希望しない患者に対して行われる。

投稿者: 大橋医院

2024.10.15更新

<にきび>ツムラ清上防風湯、ツムラ排膿散及湯、

<湿疹>ツムラ当帰飲子

<肥満症、浮腫、皮膚病、浮腫、多汗症、月経不順>ツムラ防己黄耆湯、

投稿者: 大橋医院

2024.10.13更新

 ヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ)菌感染率は、日本ではかなり低下してきていますが、世界全体に目を向けるとまだまだ高いようで、多くの論文が見られます。その中で、H.ピロリを除菌治療すると大腸がんが減るという論文が目に留まりました。

 H.ピロリ菌感染が慢性胃炎を引き起こし、さらに胃がんの原因にもなっていることは有名ですし、それ以外にも特発性血小板減少症などの胃外疾患の原因にもなっていることも、比較的知られていると思います。ただ、大腸がんの原因であるというのは、筆者もこれまであまり目にすることがありませんでした。また胃とは離れた大腸という臓器において、どのような機序でH.ピロリ菌感染が発がんと関わっているのかという点についても興味をひかれ、この論文に注目しました。

私の見解
 本論文は、約81万人という膨大な数の退役軍人を対象とした後ろ向き研究です。H.ピロリ陽性者と陰性者、また、H. ピロリ陽性者で治療を受けた症例と受けていない症例を比較し、新規大腸がん症例、致命的経過をとった症例が、H.ピロリ陽性者および非治療者で多いことを示しています。したがって、H.ピロリ菌感染が、大腸がんの発がんやそれによる死亡に関与していることが示されました。

 疫学調査とはいえ、十分な数による検討ですので、その結果の信頼性は高いと思われます。その機序などがどこまで分かっているのかに興味がそそられたため、調べてみたところ、「Effects of Helicobacter pylori infection on intestinal microbiota, immunity and colorectal cancer risk」(Front Cell Infect Microbiol 2024: 14: 1339750)というレビュー論文が見つかりました。

 このレビュー論文では、これまで多くの疫学調査からH.ピロリ菌感染によって大腸がんのリスクが約1.8倍となることがまず指摘されています。さらにその機序として、H.ピロリ菌は胃内の免疫系を活性化し、その後クロストークによって小腸から大腸の免疫系に影響を与え、それによって腸内細菌叢も変化させることで大腸がんの発生に関与している可能性を示唆しています。正確な機序はまだ分かっていないため、さらなる検討が必要なようですが、現在増えつつある大腸がんに対する対策の一つになり得る有用な知見だと思います。

 ただし現在、日本では胃がんは減少しつつあり、その要因の一つは除菌治療によるH.ピロリ菌感染率の低下だと考えられます。これに対し大腸がんは増加傾向ですので、この増加の主な原因はそれ以外にあることになりますが、H.ピロリが大腸がんの一因であることは間違いなさそうです。

日常臨床への生かし方
 H.ピロリ菌の除菌治療は、慢性胃炎、さらには胃がんの予防という効果がありますが、現在増加傾向にある大腸がんの予防効果も期待できると考えられます。

投稿者: 大橋医院

2024.10.12更新

ロングコロナについて知る
ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID) は、COVID-19の感染者が感染後4週間から12週間以上経過しても見られる状態や症状です。 これらの症状は多岐にわたり、個々の患者で異なることが多いです。特に肺に感染が見られ、持続性の病気を持つ患者に多く見られます。また、女性に多く見られ、呼吸機能が低下し、肺が硬くなりうるため、正常な酸素交換ができず、普段よりも容易に息切れし、十分に呼吸できなくなり、その他の異常が個人により異なる形で現れる可能性があります。

よく見られるロングコロナの症状
ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)でよく見られる症状には、以下のようなものがあります:

慢性的な疲労感
容易に疲れたり、筋力が低下する
呼吸困難、息切れ
頭痛
集中力の低下
記憶障害
咳、胸の痛み
筋肉痛、関節痛
下痢
嗅覚喪失、味覚喪失
うつ症状、ストレス、不安感
COVID-19から回復した時のロングコロナ

ロングコロナの治療
COVID-19から回復後に自分の体の異常に注意を払うことが重要です。なぜなら、医師は症状に基づいてポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)を治療するからです。 したがって、症状がある場合は迅速に医師に相談することが治療を適時に行うのに役立ちます。また、医師の指導に従って定期的に体をチェックすることで、異常を早期に発見し、適切に自己管理することができます。

ロングコロナからくる合併症
ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)から起こりうる長期的な合併症には以下のようなものがあります:

心筋炎 (Myocarditis)
ブレインフォグ (Brain Fog)
自律神経失調症 (Dysautonomia)
ギラン・バレー症候群 Guillain – Barre Syndrome
線維筋痛症 (Fibromyalgia)
不眠症 (Insomnia)
過度な運動は避ける
COVID-19から回復した人は、過度な運動を避け、過度に疲れるほどの運動をすることは推奨されません。 軽い運動に切り替えることをお勧めします。たとえば、普段走っていた人は歩くようにするなど、肺が過度に負担されず、体が徐々に回復し、強くなるように調整することが大切です。


現在、ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)の原因は明確ではありませんが、COVID-19から回復した人の体と心に異常を引き起こす可能性があります。そのため、自分の体を注意深く観察し、定期的に評価し、正しく体を回復させることが重要です。生活に支障をきたす症状があれば、直ちに医師に相談し、放置せずに迅速に治療を受けることが勧められます。

 

投稿者: 大橋医院

2024.10.12更新

ロングコロナについて知る
ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID) は、COVID-19の感染者が感染後4週間から12週間以上経過しても見られる状態や症状です。 これらの症状は多岐にわたり、個々の患者で異なることが多いです。特に肺に感染が見られ、持続性の病気を持つ患者に多く見られます。また、女性に多く見られ、呼吸機能が低下し、肺が硬くなりうるため、正常な酸素交換ができず、普段よりも容易に息切れし、十分に呼吸できなくなり、その他の異常が個人により異なる形で現れる可能性があります。

よく見られるロングコロナの症状
ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)でよく見られる症状には、以下のようなものがあります:

慢性的な疲労感
容易に疲れたり、筋力が低下する
呼吸困難、息切れ
頭痛
集中力の低下
記憶障害
咳、胸の痛み
筋肉痛、関節痛
下痢
嗅覚喪失、味覚喪失
うつ症状、ストレス、不安感
COVID-19から回復した時のロングコロナ

ロングコロナの治療
COVID-19から回復後に自分の体の異常に注意を払うことが重要です。なぜなら、医師は症状に基づいてポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)を治療するからです。 したがって、症状がある場合は迅速に医師に相談することが治療を適時に行うのに役立ちます。また、医師の指導に従って定期的に体をチェックすることで、異常を早期に発見し、適切に自己管理することができます。

ロングコロナからくる合併症
ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)から起こりうる長期的な合併症には以下のようなものがあります:

心筋炎 (Myocarditis)
ブレインフォグ (Brain Fog)
自律神経失調症 (Dysautonomia)
ギラン・バレー症候群 Guillain – Barre Syndrome
線維筋痛症 (Fibromyalgia)
不眠症 (Insomnia)
過度な運動は避ける
COVID-19から回復した人は、過度な運動を避け、過度に疲れるほどの運動をすることは推奨されません。 軽い運動に切り替えることをお勧めします。たとえば、普段走っていた人は歩くようにするなど、肺が過度に負担されず、体が徐々に回復し、強くなるように調整することが大切です。


現在、ポストコロナ(Post – COVID 19 Condition)またはロングコロナ(Long COVID)の原因は明確ではありませんが、COVID-19から回復した人の体と心に異常を引き起こす可能性があります。そのため、自分の体を注意深く観察し、定期的に評価し、正しく体を回復させることが重要です。生活に支障をきたす症状があれば、直ちに医師に相談し、放置せずに迅速に治療を受けることが勧められます。

 

投稿者: 大橋医院

前へ