<核エネルギーを平和利用に> 被爆者2世 大橋信昭
2023年度の地球上に存在する核弾頭の総数は12,520です。保有国は、米国、ロシア、フランス、英国、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の9か国です。いや、2025年度では、核保有国はさらに増大しようとしているはずです。アインシュタインに聞いてみたいのですが、この核エネルギーは、無限に広がる産業社会に、石炭や石油では、補給不足で、世界の環境保全を考えても、必要になってしまったのですか?決して、ダイナマイトから続く、進歩していく戦争の兵器になってはいけないのです。
紀元前、人間が文明生活を始めてから、世界で戦争がどこの地域にも、一瞬たりとも無くなったときはありません。地球儀を見てください。ユーラシア大陸、アメリカ大陸、オーストラリア、アフリカ、日本を含めてニュージーランド、アフリカ諸国、太平洋、大西洋に浮かぶ離島を、観察してみると、無限の民族が狭い地球にひしめき合い、言語は異なり、宗教も複雑で、争いは絶えたことはありません。どうして、この惑星は、多民族でもいいから、単一言語で、争いのない日々にならないのでしょうか?胸が痛みます。
私のいとこは被爆者2世です。彼の母は17歳の1945年8月9日は、爆心地に近い、今は平和公園がありますが、その近くの防空壕の一番深いところで友達とトランプ遊びをしていました。防空警報が鳴ってから、かなりの時間がたち、一緒にいた町内の成人の人達は、もう外に出て、姿を見せません。安心して友達と防空壕から外へ出ました。そこには衝撃的な世界が広がっていました。景色はすっかり変化してしまい、近所の人達は、はるか遠くへ飛ばされた様子で、恐怖心で反射的にが郊外、田舎、島原が思い立ち、一目散で走り続けました。必死で避難しようとしても、死体の山です。その下の中から手が出て足をつかまれ、瀕死の人が「水をください!」こんな時は平常心ではいられません。足を振り切り、島原へ一直線です。アメリカ軍が上陸するという流言が聞こえ、女は強姦されると、泣き叫ぶ人がいました。彼女を含め女性たちは、髪の毛を道端で見つけたハサミでできるだけ、坊主頭にし、二日かけて、飲まず食わずでしたが、ともかく近くの優しそうなお百姓さんの家に飛び込み一か月かくまってもらったのです。お百姓さんに充分お礼を述べ、長崎へ帰っていったのです。目についた長崎は、壊滅、焼け野原で、家族の一人と偶然、一週間後逢うことができました。家族は離散状態でしたし、実家は焼けてしまい長男は箪笥の下敷きになり、犠牲になるところを、残った家族は見ていましたが、彼女の兄は「俺のことにかまわずに早く逃げろ!」と怒鳴りました。心を鬼にして逃げるしかなく、残った家族は兄弟姉妹9人、夫婦のうち半分以下ということです。お爺さんも犠牲者です。残った家族で再建、生活をいていくしかありません。原爆の悲惨さは霧がありませんが、いとこのことを述べさせてもらいます。
彼の母は17歳で被爆し、卵巣、卵子のDNAにかなりの変異を受けているはずです。その証拠に彼と妹は、心房中隔欠損症であることが後でわかりました。この病気は、心房中隔に穴が開き、動脈と静脈が交じり合う病気で、放置すれば、アイゼンメンジャー症候群といって、肺高血圧、心不全、不整脈で早死にします。運よく、病気が見つかり昭和53年に妹が、55年に彼が心房中隔の穴をふさぎ、動脈と静脈の交わりを無くしました。東海地方では名古屋大学附属病院第一外科しか手術しているところはなく、手術は成功し、やがて令和5年になっています。奇形は心臓だけではなく、脊椎、鼻中隔、外耳道にもあり、何とか克服し、彼は医師として、開業医として、自分の苦しかった闘病生活を克服し、逆に、患者さんの治療に全力投球しています。悲しいかな、妹は3年前に突然死しました。彼息子は心室中隔欠損症があり、、孫たちも肺静脈還流異常症です。彼の家族の恥を公表するのは原子爆弾が、傷痍爆弾やライフル銃による貫通創ではなく、被災者一代で解決することではなく、その被害は孫の代々迄続行することです。極めて悪質な兵器です。1945年の広島、長崎の爆弾と違い、2025年の核爆弾は一発地球に投下したら、全人類が消滅するかもしれません。それぐらい核兵器は恐怖を増し強力になっています。それをいいことに、核保有国は、自国を守る、他国を脅かすことを公言していますが、核爆弾を敵国に投下したら、自国も地球全体が廃墟になってしまうのです。それを知りながら、ロシアのプーチンの発言は狂気です。核爆弾を2発も投下されたのは日本だけです。その悲惨さを日本は世界一知っています。GHQから強制された憲法を戦後80年も変えないのは世界では日本だけです。世界から核兵器を戦争の道具じゃなくて、平和に利用するように、何故おとなしくしているのですか?今も被爆者は日本に何千万人とこれから生まれる被爆者の怖さも含めて、声を大にして、実際に行動すべきです。政府に任せているだけでいいでしょうか?何か、世界を真剣に改心させる、行動させる方法を考え、日本は戦うべきではないですか!言葉にも限界があります。頑張らねばいけません!(完)
2025.02.01更新
核エネルギーを平和利用に
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