2024.09.25更新

今シーズン(2023/24)の世界なインフルエンザの流行は、過去 2 シー
ズンは、はっきりとした二峰性のピークがみられたが、2023/24 シーズン
は、新型コロナウイルス流行前のようなピークがひとつの流行であった。
流行のピークは、これまでは多くの場合 1 月であったが、今シーズンは 12
月にみられ、例年より若干早い流行であった。型・亜型(A 型)・系統(B
型)別では、A/H1pdm09、A/H3 および B 型(ビクトリア系統のみ)それ
ぞれ検出されたが、その割合は国・地域により異なっていた。傾向として、
北半球は A 型の検出が多く(A/H1pdm09 と A/H3 の割合は国・地域によ
り異なっていた)、南半球は B 型の検出が多かった。日本の流行は、冬の
流行が 3 シーズンぶりにみられた 2022/23 シーズンのピーク(2023 年第
6 週)後、全国定点当たり患者報告数は減少したが 1.0 以下になることな
く、そのまま 23/24 シーズンに入った。第 36 週以降報告数は増加し、第
49 週でピーク(定点当たり報告数は 33.7)となり、年末に向かって減少
した。しかし第 1 週以降再び増加し、第 6 週でピーク(定点当たり報告数
は 23.9)となり、それ以降減少した。インフルエンザ分離・検出報告は、
22/23 シーズンでは A/H3 が大多数であったが、23/24 シーズンでは 2023
年中は A/H3 と A/H1pdm が多く報告された(A/H3>A/H1pdm)が、年明
けから B 型(ビクトリア系統のみ)の報告が増えた。国立感染症研究所
(感染研)では、WHO ワクチン推奨株選定会議(2024 年 2 月 19 日~22
日)で議論された流行株の解析成績、令和 5 年度(2023/24 シーズン)ワ
クチン接種後のヒト血清抗体と流行株との反応性およびワクチン製造候
補株の製造効率などを総合的に評価して、令和 6 年度(2024/25 シーズン)
のインフルエンザワクチン製造候補株として、以下を推奨することとした。
A/H1N1 亜型
候補株
及び
推奨順
①A/Victoria/4

投稿者: 大橋医院