2024.09.09更新

血管攣縮性狭心症(異型狭心症)とは心臓の血管が極度に縮んでしまうために生じる病気です。

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症状
決まった時間帯や、決まったきっかけにより、胸が圧迫される、締め付けられる、息が切れる、場合によっては喉のあたりの違和感、肩の違和感などの症状が出現します。朝方の決まった時間帯に出現するというのが最も一般的ですが、他にたばこを吸った時、お酒を飲んだ後、といったような発症様式もあります。
原因・病態
心臓は体中に血液を送るポンプの働きをしています。
心臓は1日10万回も拡張、収縮を繰り返していますが、そのためには心臓自体も血液から酸素や栄養を受け取ることが必要です。

その為の心臓を栄養する血管として大動脈起始部から冠動脈が出ています(上図参照)。
冠動脈が狭窄、閉塞することによって胸部症状、心筋障害が生じ、胸が圧迫される、締め付けられる、息が切れる、場合によっては喉のあたりの違和感、肩の違和感などの症状が生じます。
この機序として主に①動脈硬化により冠動脈の血流が低下、②血管の痙攣により冠動脈の血流が低下、の二つが考えられ②の機序により生じる狭心症を血管攣縮性狭心症、または異型狭心症と言います。
検査・診断の方法
*ホルター心電図 (24 時間心電図 )
体表面に電極を貼付し、24時間心電図を記録します。自覚症状のない血管攣縮による心電図変化をチェックします。
*心臓超音波検査(心エコー)
心臓超音波検査では、心臓の大きさ、心筋の動き、弁の機能などを評価します。虚血がある場合に、左心室の壁運動に異常がみられることがあります。
*心臓カテーテル検査
カテーテルという細長い管を腕や大腿の動脈より挿入し、血管を通して心臓まで到達させます。大動脈起始部より出ている冠動脈にカテーテルを挿入し、造影剤(X線に写る薬剤)を注入することで冠動脈の状態の詳細を把握することができます。

*誘発試験
冠動脈造影に加え、冠動脈の痙攣を誘発する薬剤を直接冠動脈に注入し、症状、心電図変化、血管造影所見から診断を行います。薬剤として、アセチルコリン、エルゴノビンといったものがあります。診断能は80~90%と高いですが攣縮の活動性の低い方では誘発されないこともあります。また、攣縮の活動性には日内変動があり、一般的に深夜から早朝に生じることが多いため、朝一番に施行することが多くなります。
治療
上記薬剤負荷カテーテル検査や発作時心電図により血管攣縮性狭心症(異型狭心症)と診断された場合、原則として薬物治療となります。カルシウム拮抗薬、硝酸剤(ニトロ製剤)、冠血管拡張剤(ニコランジル)などが主体です。
また、日常生活でも血管攣縮の誘発因子を避けることが必要です。
誘発因子として、心身の疲労・ストレス、 喫煙、怒責、寒冷、過換気、女性ホルモン欠乏(更年期など)、アルコールなどが、あります。

 

投稿者: 大橋医院