2024.06.17更新

膀胱炎
原因
膀胱の中に細菌が入り、膀胱の粘膜に炎症が起こることによって膀胱炎を発症します。
ただし、膀胱の中に細菌が入ったからといって、すぐに膀胱炎になるわけではありません。睡眠不足やストレスなどで体の抵抗力が落ちているとき、尿を我慢したときなどに膀胱の中で細菌が増えると炎症が起きて膀胱炎の症状が現れます。女性の場合には、月経前後や性行為後などに膀胱内に細菌が侵入しやすいといわれています。
膀胱炎の原因菌でもっとも多いのは大腸菌です。最近では、抗菌薬に対抗できる耐性菌による膀胱炎も増えています。
症状
膀胱炎で多く見られる症状は頻尿、残尿感、排尿痛です。具体的には、何度もトイレに行きたくなる(頻尿)、排尿してもすっきりした感じがしない(残尿感)、排尿した後に下腹部や陰部が痛い(排尿痛)という症状が突然起きることが多いです。
ほかにも、尿が混濁することや血液が混ざった赤い尿(血尿)を認める場合があります。膀胱炎では通常発熱を伴うことはありません。発熱を伴う場合には、膀胱より上に位置する腎臓まで細菌が侵入し、炎症を起こしている可能性があります。
検査・診断
膀胱炎は、基本的に膀胱炎に伴う症状と尿検査で診断します。
尿検査では、細菌による炎症があることを意味する白血球や細菌の有無を確認します。さらに、尿中の細菌を培養し原因となっている細菌を特定して、どの抗菌薬が効くかどうかも調べます。膀胱炎を繰り返すときは細菌が抗菌薬に効かない耐性菌になっている可能性があります。
治療
膀胱炎の治療は抗菌薬の内服を行います。ただし、最近では抗菌薬に抵抗する力のある菌(耐性菌)が増えてきているので、治療効果の期待できる抗菌薬を的確に選ぶ必要があります。
医療機関で処方された抗菌薬を数回内服すると症状が改善することが多いため、途中で内服をやめてしまう人がいます。途中で内服をやめると症状が再び起きることや耐性菌をつくることがあるので、指示された期間は必ず内服するようにしましょう。
薬以外の治療法としては、十分な量の水分を取ることが大切です。水分を取ることによって、尿と共に膀胱内で増殖した菌を外へ出すことができます。
予防
膀胱炎は繰り返しやすいですが、日常生活を見直すことで予防できる病気です。もし日常生活を見直しても膀胱炎を繰り返す場合には、ほかの病気が隠れている可能性もあるので詳しく検査してもらうようにしましょう。

 

投稿者: 大橋医院